Research Center of Criminal Justice and Wrongful Convictions (RCWC)

刑事司法・誤判救済研究センター

センター概要

司法は、正義を実現するものでなければならない。
司法は、公平・公正でなければならない。
これらは当然のことです。

しかし、刑事司法を経た判断の結果、いわれなき罪で有罪とされ苦しんでいる方は後を絶ちません。えん罪の発生は、えん罪被害者の権利を侵害するだけにとどまりません。このような不正義を放置すること自体、社会にとっても害悪ですし、えん罪の原因が刑事司法システムにあるのであれば、その刑事司法システムを維持することも問題です。

もちろん、刑事司法が人による営みである以上、誤りを完全になくすことはできないでしょう。重要なのは、えん罪の存在から目をそらすことなく、その不正義が生じた原因を究明し、よりよい司法を目指すという姿勢ではないでしょうか。
このHPのテミス像の写真は、目隠しをせず、目の前にある不正義を見据えてよりよい刑事司法を目指すという本研究センターの意志を現したものにほかなりません。

本研究センターは、よりよい刑事司法と誤判救済のありかたを、持続可能なかたちで作ることを探求することを最大の目的として設置されました。

そのために、研究者だけでなく、弁護士の皆さんを中心とする法律実務家に積極的に関与いただいています。よりよい刑事司法を持続可能な形で実現するためには、少数の方が努力するというだけでは困難な部分があります。刑事司法の運営や誤判救済のために、より効果的かつ円滑に弁護を行うためにはどのようなシステムや体制が必要なのか。このような観点から、研究を進めることも本研究センターの特色です。

もちろん、上記の目的を達成することは数年では困難です。本研究センターは、この目的のための拠点を形成するための第一歩を踏み出すことを目標とします。えん罪による被害を直視し、これを社会全体で克服することを目指します。

斎藤 司
法学部教授・刑事司法・誤判救済研究センター長